昭和時代前半の重要ポイント3選|混乱から戦争へ向かった日本の歴史を解説

昭和時代前半の重要ポイント3選|混乱から戦争へ向かった日本の歴史を解説

昭和時代前半(1926〜1945年)は、世界恐慌や満州事変、太平洋戦争など、入試でもよく出る重要な出来事が集中する時代です。この記事では、昭和前半の歴史を「経済の混乱」「軍国主義の進展」「戦争と敗戦」の3つのポイントに分けて、わかりやすく解説します。

昭和時代前半とは?

昭和時代前半(1926〜1945年)は、日本が経済の混乱から軍国主義へと進み、やがて戦争に突入していった激動の時代です。世界恐慌による不況、満州事変をきっかけとした国際的孤立、さらに日中戦争太平洋戦争の開戦と敗戦まで、歴史の大きな転換点が続きました。

この時期は高校入試でも頻出で、歴史の流れを理解することが得点アップの鍵となります。一見複雑に思える昭和前半の歴史も、3つのポイントに整理すればスッと理解できます。この記事では、「経済の混乱」「軍国主義の進展」「戦争と敗戦」の3つのテーマで、わかりやすく解説していきます。

1.昭和のはじまりと経済の混乱(1926〜1931年)

昭和時代の前半は、日本が戦争へと突き進む前の重要な時期です。特に1926年から1931年にかけては、「昭和のスタート」から「世界恐慌」、そして「農村の困窮」によって社会不安が広がった時代でした。この流れを理解することは、入試での得点アップにも直結します。

昭和のスタートと社会の不安定さ

1926年、大正天皇の崩御により昭和時代が始まりました。当時の日本は、大正デモクラシーの名残で政党政治が行われていましたが、内閣は短命で交代が多く、政治は安定していませんでした。また、都市と農村の格差も拡大しており、社会全体に不満がくすぶっていました。

世界恐慌の影響で日本経済が悪化

1929年、アメリカで起きた株価の大暴落から始まった世界恐慌は、世界中の国々に深刻な経済的影響を与えました。輸出に頼っていた日本経済も大打撃を受け、特に生糸(きいと)などを輸出していた農村では収入が激減しました。

日本政府の対応は後手に回り、不況から抜け出すことができず、多くの国民が苦しい生活を強いられるようになりました。

農村の困窮と社会の不安

この経済悪化は農村に深刻な打撃を与え、農村の困窮(こんきゅう)が社会問題となりました。農家の子どもが働きに出される「娘の身売り」や、給食が取れない「欠食児童」など、今では考えられないような出来事が現実に起きていたのです。

このような困窮と政府への不信感は、やがて国民の間に「軍部に期待する声」を生む背景となり、後の軍国主義の台頭にもつながっていきます。

まとめ|昭和の始まりと不況がもたらしたもの

昭和のスタートは、政治の不安定と世界恐慌による経済危機という、厳しい時代背景のもとにありました。農村の困窮が広がる中で、社会全体に不満と不安が高まり、その空気が後の軍部の台頭を後押しすることになります。まずはこの時期の流れをしっかりとつかんでおくことが、昭和前半の理解を深める第一歩です。

2.軍部の台頭と国際的孤立(1931〜1937年)

昭和の前半は、日本が戦争へと進んでいく重要な時期です。なかでも1930年代前半は、軍部の力が強くなり、国際社会から孤立していく時代でした。今回は、「満州国の建国」「国際連盟脱退」「五・一五事件」など、入試に出やすい重要な出来事をわかりやすく解説します。

満州国の建国と軍部の勝手な行動

1931年、日本の関東軍が中国の満州で鉄道を爆破し、それを中国軍のせいにして攻撃を開始しました。これが満州事変です。この行動は日本政府の許可を得ていない勝手な軍事行動でしたが、軍部は満州を占領し、翌年には満州国を建国します。

しかし、この「満州国」は日本が勝手に作った国であり、世界の多くの国はこれを認めませんでした。

国際連盟脱退で日本は孤立

1933年、日本が満州国の正当性を主張するも、国際連盟はこれを否定。日本はその判断に反発し、国際連盟を脱退します。これは、日本が国際社会のルールから離れ、孤立する大きなきっかけとなりました。

この頃から、国内でも「国際的な協調よりも、日本独自の道を進むべきだ」という考えが広がっていきます。

五・一五事件と軍部の政治介入

1932年には五・一五事件が起こります。これは、海軍の青年将校たちが犬養毅首相を暗殺した事件です。犯人たちは軽い処罰しか受けず、「軍人が政治を動かせる」という空気が広がる結果となりました。

こうした事件をきっかけに、政党政治は力を失い、次第に軍部が政治の中枢に入り込むようになっていきます。

まとめ|満州国から太平洋戦争へ

1931年から1937年の日本は、軍部の独断行動が増え、国際社会から孤立しながら、次第に戦争へ向かう体制が整っていった時期です。満州国の建国国際連盟脱退五・一五事件といったキーワードは、流れで理解することで記憶に残りやすくなります。高校受験でも頻出のテーマなので、しっかり押さえておきましょう。

3.日中戦争から太平洋戦争、そして敗戦(1937〜1945)

昭和前半の後期は、日本が戦争へ本格的に突入し、敗戦へと向かう重大な時期です。日中戦争から太平洋戦争、そして原爆降伏に至る流れは、入試でも毎年のように出題される重要ポイント。今回は、この期間に起きた出来事とその背景を、わかりやすく解説します。

日中戦争の勃発と全面戦争への拡大(1937年)

1937年、中国・北京郊外で日本軍と中国軍が衝突した**盧溝橋事件(ろこうきょうじけん)**をきっかけに、日中戦争が始まりました。この戦争は当初、短期間で終わると考えられていましたが、実際には長期化し、やがて日本は全面戦争に突入します。

戦争が長引くことで、日本は国内の資源や人材を戦争に集中させる必要がありました。

戦時体制の強化と国民生活への影響

1938年には国家総動員法が制定され、国のすべての力を戦争に向ける「戦時体制」が整えられていきます。これにより、工場は兵器の生産を優先し、食料や衣類は配給制になりました。さらに、学徒動員で中学生・高校生までもが軍需工場や戦場に動員され、国民の生活は次第に苦しくなっていきます。

太平洋戦争の開戦と戦局の悪化(1941〜)

1941年、日本はアメリカとの関係が悪化し、ついに真珠湾攻撃を行い、太平洋戦争が始まりました。最初は日本が優勢でしたが、次第に戦局は悪化し、アメリカをはじめとする連合国との戦いに苦しむようになります。

1945年になると、日本本土への空襲が激化し、東京や大阪などの都市が大きな被害を受けました。

原爆の投下と日本の降伏(1945年)

1945年8月、アメリカは広島と長崎に原子爆弾を投下しました。これにより、数多くの市民が亡くなり、都市は壊滅的な被害を受けます。

その後、日本は連合国のポツダム宣言を受け入れ、8月15日に降伏。これにより、長く続いた戦争はようやく終わりを迎えました。

まとめ|日中戦争から太平洋戦争、そして敗戦の流れを整理

日本は日中戦争から全面戦争へ突入し、戦時体制の強化太平洋戦争の激化原爆投下による敗戦へと向かいました。1937年から1945年の流れは、因果関係も問われやすい入試の定番テーマです。年号や出来事をセットで覚えましょう。

昭和時代前半によく出る!重要用語まとめ表

高校入試でよく出題される「昭和時代前半(1926〜1945年)」の重要用語まとめ表を作成しました。
入試頻出度が高く、時代の流れを理解する上で欠かせないキーワードを中心に、意味・ポイントつきで整理しています。

用語年代意味・説明試験ポイント
昭和のはじまり1926年大正天皇が崩御し、昭和時代が始まる元号の変わり目として要チェック
世界恐慌1929年アメリカ発の大不況が世界中に広がった日本の経済悪化・農村困窮とセットで出題
満州事変1931年関東軍が満州で軍事行動を起こした事件軍部の台頭のきっかけとして重要
満州国1932年日本が中国東北部に建てた国(国際的には未承認)国際連盟との関係や日本の孤立とあわせて出題
国際連盟脱退1933年満州国を認められなかった日本が国際連盟を脱退日本の孤立と軍国主義化の流れ
五・一五事件1932年犬養毅首相が暗殺された事件政党政治の終わりの転換点として
二・二六事件1936年陸軍将校によるクーデター未遂事件軍部の政治支配が決定的になった
日中戦争1937年盧溝橋事件をきっかけに中国との全面戦争が始まる長期戦化・戦時体制へつながる流れ
国家総動員法1938年国の全ての力を戦争に動員するための法律戦時体制と国民生活の変化とセットで出題
太平洋戦争1941年日本が真珠湾攻撃を行い、アメリカと開戦した戦争第二次世界大戦の一部、日本の敗戦へ
学徒動員1943年ごろ〜学生が工場や戦場に動員された制度戦時体制の一環として出題されやすい
原子爆弾1945年広島と長崎にアメリカが投下日本の降伏・戦争終結の直接的な要因
ポツダム宣言1945年日本に無条件降伏を求めた連合国の宣言終戦とセットでの出題が多い

まとめ|昭和時代前半の流れを3つのポイントで確実におさえよう

昭和時代前半(1926〜1945年)は、経済の混乱・軍国主義の進展・戦争と敗戦という3つの大きな流れで構成される重要な時代です。世界恐慌や満州事変、太平洋戦争などは高校入試でも頻出のテーマであり、年号だけでなく因果関係を理解することが得点アップのカギになります。
一見難しそうに感じる昭和前半の歴史も、ポイントをおさえて流れで覚えれば、スムーズに理解できます。入試対策としても重要なこの時期を、しっかり整理しておきましょう。

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